「アラビックヤマト」という液状のりがありますが、どうにも不思議な名前ですよね。この商品名の由来について解説します。

アラビックって?
- 「アラビック」について
「アラビック」は「アラビア(Arab)」に由来しています。アラビアゴム(アカシアの樹液から作られる天然樹脂)は、古くから接着剤やインクの原料として使われてきました。アラビアゴムは水溶性で粘着性があり、紙や布などに適した接着力を持っています。そのため、アラビアゴムは絵画や製本、さらには食品業界でも増粘剤として利用されることがあります。また、アラビアゴムは乾燥しても透明な仕上がりになるため、美術品の修復などにも活用されることが知られています。
アラビックヤマトの液状のりも、アラビアゴムの特性を活かした設計になっており、滑らかで均一に塗ることができるのが特徴です。また、適度な乾燥時間を持つことで、紙のしわを抑えながらしっかり接着できる点も評価されています。さらに、ボトルの先端にスポンジヘッドを採用することで、のりを無駄なく出しやすく、子供から大人まで使いやすいデザインになっています。このような工夫によって、アラビックヤマトは学校やオフィスなど、幅広いシーンで使用されるロングセラー商品となっています。
ヤマトって?
- 「ヤマト」について
「ヤマト」は製造元のヤマト株式会社の社名から取られています。ヤマト株式会社は1899年に創業し、120年以上にわたる歴史を持つ老舗の文具メーカーです。同社は、のりをはじめとする粘着製品の開発を専門とし、日本国内外で広く知られています。
創業当初は、でんぷん糊を中心に製造していましたが、時代の流れとともに液状のりやスティックのり、テープのりなど、多種多様なのり製品を開発し、現在ではオフィスや学校、家庭用の必需品として広く普及しています。
また、ヤマト株式会社は品質へのこだわりが強く、環境に配慮した製品開発にも力を入れています。近年では、リサイクル可能な素材を使用した容器や、安全性の高い成分を使用したのりの開発にも積極的に取り組んでおり、エコロジーの観点からも高い評価を受けています。
他にはどんな製品が?
- ヤマト株式会社の他の製品
ヤマト株式会社は、アラビックヤマトの他にもさまざまなのり製品を展開しています。代表的なものとして、- 「ヤマト糊」:明治時代から続くでんぷん糊の定番商品。学校やオフィスで広く利用されており、なめらかな塗り心地が特徴です。
- 「グルースティック」:スティックタイプの固形のり。持ち運びがしやすく、手を汚さずに使用できるため、子供から大人まで幅広く愛用されています。速乾性が高く、紙の接着に適しています。
- 「ティッシュのり」:ティッシュのようにシート状になったのりで、手を汚さずに使用可能。オフィスや家庭での細かな作業に適しており、折り紙やラッピングなどにも便利です。
- 「メタルグルー」:金属にも接着可能なのりで、プラスチックや布、革製品など幅広い素材に対応。クラフトやDIY作業にも活用されています。
- 「水のりボトル」:従来の液状のりを使いやすくしたボトルタイプの製品。液ダレしにくい設計で、適量を出しやすく、書類や工作に最適です。
このように、ヤマト株式会社は用途や目的に応じた多様なのり製品を提供し、幅広いニーズに応えています。
つまり、「アラビックヤマト」は、「アラビアゴムのような使いやすいのりを作るヤマトの製品」という意味を込めて命名されたというわけですね。
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