オクタン価(Octane Number) とは、ガソリンのノッキング(異常燃焼)に対する耐性を示す指標です。数値が高いほど、燃えにくく、エンジンの圧縮時に異常燃焼が起こりにくくなります。
レギュラー・ハイオク・軽油の違いや特徴についてはこちら⇩
🚗 ノッキングとは?
ノッキングとは、エンジンの燃焼室内で燃料が不規則に爆発し、異常な振動や異音が発生する現象のことです。これが続くと、エンジン内部にダメージを与え、最悪の場合、エンジンが故障してしまいます。高圧縮比のエンジンでは、燃料の自己着火しやすさが問題となるため、オクタン価の高い燃料が求められます。
オクタン価の測定方法
オクタン価には、主に以下の2種類の測定方法があります。
- リサーチ・オクタン価(RON: Research Octane Number)
- 低負荷・低回転時の燃料のノッキング耐性を測定。
- 欧州や日本のオクタン価表示の基準。
- モーター・オクタン価(MON: Motor Octane Number)
- 高負荷・高回転時のノッキング耐性を測定。
- アメリカなどで使用されるオクタン価の指標。
一般的に、RONの数値はMONよりも高くなります。アメリカでは「(RON + MON)/ 2」の数値(通称AKI)が使われるため、日本のオクタン価と直接比較すると少し低めになります。
オクタン価の違いと燃料の種類
燃料の種類 | オクタン価(目安) | 特徴 |
---|---|---|
レギュラーガソリン | 約90 | 一般的な乗用車向け。標準的な圧縮比のエンジンに適している |
ハイオクガソリン | 約98 | 高性能エンジン向け。圧縮比の高いエンジンでノッキングを防ぎ、燃焼効率を向上させる |
F1や航空機燃料 | 100以上 | 特殊な高性能エンジン向けで、極端な高温高圧に耐えられる |
なぜハイオク車にレギュラーを入れるとダメなのか?
ハイオク指定の車は、エンジンの圧縮比が高く、レギュラーガソリンだとノッキングを起こす可能性があるからです。ノッキングが続くと、エンジンのパワーが落ちたり、最悪の場合、エンジンが損傷することも…。
特に、最近のエンジンはノッキングを防ぐためのセンサーが搭載されており、レギュラーガソリンを入れると自動的に点火タイミングを遅らせてエンジンを保護します。しかし、その結果としてパワーや燃費が落ちることがあります。
オクタン価とエンジン性能の関係
オクタン価が高い燃料は「燃えにくい」と誤解されがちですが、実際には自己着火しにくく、制御された燃焼を実現することが主な目的です。燃焼速度そのものはオクタン価のみに依存せず、エンジン設計による部分が大きいです。
高圧縮比のエンジンでは、より高温・高圧の状態で燃焼が起こります。そのため、オクタン価の低い燃料では自己着火(ノッキング)しやすくなり、エンジン性能が低下するのです。
逆に、圧縮比の低いエンジンにハイオクを入れても大きなメリットはありません。むしろ、適切な燃焼が行われず、燃費が悪化する可能性もあります。
オクタン価が高いと燃費は良くなる?
「ハイオクは燃費がいい」と思われがちですが、オクタン価の高さ自体は燃費には直接関係しません。しかし、ハイオク車は高圧縮エンジンの効率の良さを活かして燃費が向上することがあります。逆に、レギュラー車にハイオクを入れても基本的には性能は変わりません。
結論:自分の車に合った燃料を使うことが最も重要! 🚗💡
世界のオクタン価事情
オクタン価の基準は国によって異なります。
- 日本
- レギュラー:約90(RON)
- ハイオク:約98(RON)
- アメリカ
- レギュラー:87(AKI, 約91 RON)
- ミッドグレード:89(AKI, 約93 RON)
- プレミアム:91~93(AKI, 約96~98 RON)
- ヨーロッパ
- レギュラー:95(RON)
- プレミアム:98(RON)
アメリカの87(AKI)は、日本のレギュラーとほぼ同じで、ヨーロッパの95(RON)よりも低い値です。そのため、輸入車などでは、メーカー推奨のオクタン価を確認することが重要です。
まとめ
- オクタン価 は燃料のノッキング耐性を示す指標。
- ハイオク燃料は高圧縮比エンジンに最適 だが、レギュラー車に入れても性能向上のメリットは少ない。
- 世界各国でオクタン価の基準が異なる ため、輸入車オーナーは特に注意が必要。
🚗 愛車に適した燃料を選び、最適なパフォーマンスを引き出しましょう!
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