ノが先か、一が先か。「右」「左」の書き順はどうして違うの?

違い

「右」と「左」の書き順の違いと、「右」の「はらい」と「口」を離さなければならない理由について説明します。


「右」と「左」の書き順の違い

「右(みぎ)」と「左(ひだり)」の書き順が異なる理由は、もともとの成り立ちに関係しています。

  • 右の書き順
    「右」は、古代の中国で「右手に物を持って示す」動作を表す漢字として生まれました。「口(くち)」の部分は「祝詞(のりと)を入れる器(祭祀で使う道具)」を表しており、それを「手」で持っている形です。したがって、まず「手」に当たる部分を先に書き、それから「口」を書く書き順になっています。
  • 左の書き順
    「左」は「左手で道具を持って作業する」様子を表す漢字です。「工(こう)」は職人の道具や定規の象形文字で、それを「手」で支える形です。そのため、まず「工」の部分を書いてから、「手」に当たる部分を書く順序になっています。

つまり、「右」は「手の動作」を強調しており、「左」は「道具を使う様子」を重視した結果、書き順が異なるのです。


「右」の「はらい」と「口」を離す理由

「右」という漢字は、書道や楷書の規則として、「口」の部分と上の「はらい」をわずかに離して書くのが正しいとされています。これは視認性と伝統的な書法の両方に由来します。

  1. 視認性の向上
    「口」と「はらい」がくっついてしまうと、文字のバランスが悪くなり、判読しづらくなります。「右」と「石」などの漢字が似てしまうことを避けるためにも、はっきりと離して書くのが理想的です。
  2. 書道の美的ルール
    漢字の筆順やバランスには、伝統的な美しさが求められます。「はらい」を「口」と接するように書くと、全体の形が詰まりすぎてしまい、流れるような書き方ができません。これを防ぐため、少し間を空けることで、自然な美しさを保つことができるのです。

まとめ

  • 「右」と「左」の書き順が異なるのは、もともとの成り立ちに関係している。
  • 「右」は「手の動作」、一方「左」は「道具を使う様子」を表しており、それが書き順に反映されている。
  • 「右」の「はらい」と「口」を離すのは、視認性と美的バランスを保つためである。

漢字の成り立ちや書き方のルールを知ると、日常の文字を書くときの理解が深まりますね!

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