FMとAMの違いとは?それぞれの特徴や仕組みを解説

違い

ラジオ放送には「FM」と「AM」の2種類があります。普段何気なく使っている「FMラジオ」「AMラジオ」という言葉ですが、その違いや仕組みについて詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。

この記事では、FMとAMの違い、仕組み、メリット・デメリット、そしてどのような場面で使われるのかを解説します。

1. FMとAMの「FM」「AM」って何?

FM(Frequency Modulation)とAM(Amplitude Modulation)は、それぞれ「周波数変調」「振幅変調」という意味です。ラジオ放送では、音声を電波に乗せて遠くに届けますが、その際に音声情報を変調(モジュレーション)して電波に載せる方法が異なります。

  • FM(周波数変調):電波の「周波数」を変化させて音声情報を伝達する方式。
  • AM(振幅変調):電波の「振幅」を変化させて音声情報を伝達する方式。

この変調の仕組みの違いが、音質や電波の届く範囲に大きな影響を与えます。

2. FMの仕組みと特徴

仕組み

FMは「周波数」を変化させることで音声を電波に乗せます。例えば、音が大きくなると周波数が高くなり、音が小さくなると周波数が低くなるといった仕組みです。

特徴

音質が良い

  • ノイズの影響を受けにくく、クリアな音声が特徴。
  • 高音質の音楽放送に適している。

電波の届く範囲が狭い

  • FM放送は超短波(VHF帯)を使用するため、遠くまで届きにくい。
  • 障害物(建物や山など)があると電波が弱まる。

ステレオ放送が可能

  • 左右の音の違いを伝えられるため、臨場感のある音を再現できる。

FMラジオは主に都市部や山間部で音楽番組、交通情報、ニュースなどの放送に利用されています。

3. AMの仕組みと特徴

仕組み

AMは「振幅」を変化させることで音声を電波に乗せます。音が大きくなると振幅が大きくなり、音が小さくなると振幅が小さくなる仕組みです。

特徴

電波の届く範囲が広い

  • AM放送は長波・中波(MW帯)を使用し、地球の表面を這うように伝わる。
  • 山や建物の影響を受けにくく、広範囲に放送できる。

音質がFMより劣る

  • ノイズ(雷、家電製品の電磁波など)の影響を受けやすい。
  • 音楽よりもトーク番組やニュース向け。

夜間に遠くまで届く

  • 夜間は電離層の影響で電波が反射し、より遠くまで届く。

AMラジオは全国ニュース、野球中継、深夜番組などの放送に適しています。

4. FMとAMのメリット・デメリット比較

FMAM
音質◎ 高音質・ノイズに強い△ ノイズの影響を受けやすい
受信範囲△ 届く範囲が狭い◎ 広範囲に届く
障害物への強さ△ 建物・山の影響を受ける◎ 障害物に強い
夜間の影響○ 変化なし◎ 遠くまで届く
ステレオ放送◎ 可能× 不可

5. FMとAMの使い分け

  • FMは音楽番組や都市部向けの放送に適している
  • AMは広域放送やニュース、トーク番組に適している

例えば、ドライブ中にクリアな音楽を聴きたいならFM、地方の天気予報や災害情報を確実にキャッチしたいならAMが有利です。

6. 近年の動向とデジタル放送への移行

近年、AM局がFMに移行する「ワイドFM(FM補完放送)」が進んでいます。ワイドFMはAM放送をFM帯域で再送信するもので、AMの広範囲な電波のメリットを活かしつつ、FMの高音質で聴けるのが特徴です。

また、インターネットラジオやデジタルラジオの普及により、FM・AM以外の選択肢も増えています。特に、スマホアプリを使った「radiko」などのサービスでは、エリアフリーで全国のラジオを楽しむことができます。

まとめ

FMとAMは、それぞれ異なる特徴を持ち、用途に応じて使い分けられています。

  • FM(周波数変調)は高音質だが、届く範囲が狭い。
  • AM(振幅変調)は遠くまで届くが、ノイズの影響を受けやすい。
  • ワイドFMやデジタルラジオなど、新しい技術も登場している。

今後もラジオ放送は進化し続けるでしょう。用途に応じて最適な放送を選んで、快適なラジオライフを楽しんでください!

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