カトリックとプロテスタントの違いを簡単に解説!
キリスト教には、大きく分けてカトリックとプロテスタントという2つのグループがあります。どちらも同じ「イエス・キリスト」を信じる宗教ですが、いくつかの違いがあります。中学生でも分かるように、簡単に説明します!
概要
キリスト教には、大きく分けてカトリックとプロテスタントの2つのグループがあります。
もともとは1つの宗教でしたが、約500年前に「教会のやり方は間違っている!」と主張する人たちが現れ、カトリックに反抗(protest)する形でプロテスタントが生まれました。
これがプロテスタント(反抗する者たち)と呼ばれるようになった理由です。
カトリックは、ローマ教皇をトップとし、神父が人々を導きます。教皇・神父・信者(神の子)のいわば上下関係が比較的はっきりしていると言えるでしょう。お祈りの際には「ミサ」という儀式を
行い、教会の伝統をとても大切にします。また、「信仰だけでなく、良い行いも大事」と考え、
聖母マリアや聖人への祈りも行います。
プロテスタントは、「神様を信じる気持ちがあれば、それだけで救われる」と考えます。
教会のトップはいなく、牧師が人々を導きます。牧師という言葉は、「迷える羊を導く羊飼い」からきており、信者とは明確な上下関係というよりは、同志をリードする統率者のような立ち位置にあります。カトリックのような厳しい儀式は少なく、礼拝では「説教」が中心です。また、聖母マリアや聖人を特別に崇拝することはありません。
詳しく見ていきましょう。
1. カトリックとプロテスタントのざっくりした違い
項目 | カトリック 🏰 | プロテスタント 📖 |
---|---|---|
始まり | 紀元1世紀ごろ | 16世紀(約500年前) |
リーダー | ローマ教皇(世界のトップ) | いない(各教会が独立) |
信じ方 | 「信仰+良い行い」で救われる | 「信じるだけ」で救われる |
聖書の読み方 | 教会の解釈が大切 | 個人が自由に読んでOK |
マリア様 | 崇拝する | すごい人とは思うけど、崇拝しない |
礼拝(お祈り) | ミサ(儀式が多い) | 説教(話を聞く時間が多い) |
2. どうしてカトリックとプロテスタントが分かれたの?
もともとキリスト教は1つでしたが、16世紀に「教会のやり方が間違っている!」と考えた人たちが宗教改革を起こしました。その代表がマルティン・ルターという人です。
ルターは「お金を払えば罪が許される(免罪符)」という考えに反対し、「神様を信じる気持ちがあれば、それだけで救われる」と主張しました。こうして、カトリックからプロテスタントが生まれました。
3. カトリックとプロテスタントの具体的な違い
①「救われる」ために何が必要?
- カトリック:「神様を信じること」+「良いことをする」
- プロテスタント:「神様を信じること」だけでOK!
カトリックでは、神様を信じることに加えて、善行を積むことが救いにつながると考えます。一方、プロテスタントでは「信仰のみ」が救いの条件であり、良い行いはその結果として現れるものとされます。
② 聖書の読み方
- カトリック:聖書は教会の指導に従って読む
- プロテスタント:誰でも自由に読んでOK!
カトリックでは、聖書の解釈は教会が行い、信者はその教えに従います。一方、プロテスタントは「個人が直接神とつながる」ことを重視し、誰でも自由に聖書を読み、自分なりに理解してよいと考えます。
③ 礼拝(お祈り)のスタイル
- カトリック:教会で行う「ミサ」という儀式がメイン
- プロテスタント:神父や牧師の「説教」が中心
カトリックのミサは厳かな儀式が多く、伝統的な形式が守られています。プロテスタントでは、よりシンプルで自由な礼拝スタイルが多く、牧師が信者に向けて説教を行うのが中心です。
④ 聖母マリアや聖人の扱い
- カトリック:マリア様や聖人を大切にし、祈る
- プロテスタント:マリア様は尊敬するけど、祈るのは「神様だけ」
カトリックでは、聖母マリアや聖人に祈ることが一般的ですが、プロテスタントでは神以外に祈ることはなく、マリア様は偉大な人物として尊敬されるにとどまります。
⑤ 教会の権威と組織の違い
- カトリック:世界的なピラミッド型の組織(ローマ教皇がトップ)
- プロテスタント:各教会が独立して運営される
カトリックはローマ教皇を頂点とする統一された組織ですが、プロテスタントは多くの異なる教派があり、それぞれ独立した運営をしています。
⑥ 神父と牧師の違い
- カトリックの神父:聖職者として教会を導くが結婚はできない
- プロテスタントの牧師:「迷える羊を導く」存在であり、結婚もOK
カトリックの神父は独身を貫き、神に仕えることに集中します。一方、プロテスタントの牧師は信者とより近い関係を築き、結婚して家庭を持つことも可能です。
4. どっちが正しいの?
カトリックもプロテスタントも、どちらもキリスト教であり、どちらが正しいということはありません。考え方が少し違うだけで、どちらも「神様を信じること」が大切です!
また、国や地域によって信仰のスタイルが異なり、例えばヨーロッパの南部はカトリックが多く、北部はプロテスタントが多いといった特徴もあります。
もし興味があれば、どちらの教会にも行ってみて、自分に合うかどうかを感じてみるのもいいですね!
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