「ボンバーマン」は、1983年にハドソンが発売したゲームです。しかしこの名称、おかしくないですか?
その理由について説明しますね。
1. 「Bomber」は英語で「ボンバー」ではなく「ボマー」
日本語では「Bomber」を「ボンバー」と発音しますが、英語では「ボマー(ˈbɒmər / ˈbɑːmɚ)」と発音されます。
🔹 英語の発音ルール
- 「-er」で終わる単語は、英語では「アー」ではなく「ア(ə)」のように発音されることが多い。
- 例:「worker(ワーカー)」→英語発音は「ワーカー(ˈwɜːrkər)」
- 例:「bomber(ボンバー)」→英語発音は「ボマー(ˈbɒmər)」
🔹 日本語のカタカナ表記の影響
- 日本では英語の「bomber」を「ボンバー」と誤って発音することが定着している。
- その影響で「Bomberman」も「ボンバーマン」と表記されてしまった。
- しかし、英語圏では「ボンバーマン」ではなく「ボマーマン(Bomberman)」と発音されるはず。
→ そもそも「ボンバーマン」というカタカナ表記自体が、英語の発音とズレている。
2. 「Bomberman」は英語として不自然
しかし、そもそも論として
🔹 「Bomber」自体が「爆弾を使う人・もの」を意味するため、「man」をつける必要がない。
- 例:「消防士」は「firefighter」または「fireman」
- でも「bomber」は「爆撃機」または「爆弾魔」を指し、わざわざ「bomberman」と言わない。
🔹 「bomberman」は、英語圏の人にとって奇妙な造語
- 「爆弾魔男」や「爆撃機男」のような不自然な語感になる。
- 「bomber」は単体で意味が成り立つので、「man」を加えると過剰な表現になる。
- 例えるなら「ランナーマン(Runnerman)」や「スイマー男(Swimmerman)」のような違和感。
→ 英語のネイティブスピーカーにとって、「Bomberman」は不自然な単語に聞こえる。
3. 「Bomberman」はテロリストを連想させる可能性がある
英語圏では「bomber」という単語は、次のような意味を持ちます。
- 爆撃機(例:B-2 bomber=B-2爆撃機)
- 爆弾犯(テロリスト)(例:suicide bomber=自爆テロ犯)
そのため、「Bomberman」は「爆弾魔の男」や「爆撃犯の男」と誤解される恐れがある。
実際に、過去にテロ事件が発生した際、ゲーム「ボンバーマン」の名前が物議を醸したこともあった。
→ 英語圏では「Bomberman」という名前がネガティブに捉えられるリスクがある。
4. 実際に海外では「Bomberman」の名前が変更されたことも
- 一部の国では、「Bomberman」という名前を避け、「Dynablaster」という別名で販売されたことがある。
- これは、英語圏の一部の人々が「bomber」という言葉にネガティブな印象を持つため。
- 特に、北米市場では「bomber」という単語が持つイメージが問題視されることが多い。
- そのため、「Bomberman」のプロモーションでは意図的に「爆弾魔」的なイメージを抑える努力がされることもある。
5. 「Bomberman」の文化的影響と誤解のリスク
- 「ボンバーマン」というキャラクター自体は、ゲームの中で爆弾を使って戦うコミカルな存在。
- しかし、英語圏の文化では「bomber=爆弾犯」という印象が強く、「テロリストを連想するゲーム」と誤解される可能性がある。
- 例えば、映画やドラマの影響で「bomber」という言葉が犯罪者と結びつくことが多い。
- そのため、欧米では「Bomberman」を紹介する際に、「単なるゲームキャラクター」という説明が必要になることもある。
6. まとめ
- 「Bomber(ボマー)」を「ボンバー」と誤って発音したことが、日本語の「ボンバーマン」の語感を作った。
- 英語では「bomberman」という単語は不自然で、「爆弾魔男」「爆撃機男」のような奇妙な意味になる。
- 「bomber」は「爆撃機」や「テロリスト」の意味があり、英語圏ではネガティブな印象を持たれる可能性がある。
- 実際に海外では「Bomberman」という名前を避ける動きがあった。
- 文化の違いにより、英語圏では「Bomberman」が誤解されるリスクがある。
→ 「ボンバーマン(Bomberman)」は、英語として正しくない和製英語の一種であり、発音・意味の両面で誤用といえる。
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